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解説 美禰子の肖像画と心の動き 気楽に楽しむ漱石入門「三四郎」』武田邦彦 (文芸社刊 2016年)より

解説 美禰子の肖像画と心の動き




美禰子の三四郎に対する心の動きは「森の女」を巡って複雑に変化があるのでここで、まとめておきたい。

①あの夏の暑い日、美禰子は肖像画「森の女」を原口に描いてもらおうと場所設定のために、偶々看護婦に連れられて、背景に緑の木々がある池の端の高い所に来ていた。三四郎とはその後に逢っている〈第2章〉

②原口は美禰子の要求にそって「森の女」の粗描を少しずつ描き出して、大体の輪郭が描かれているだけであった〈第10章〉

③原口は、来年の展覧会に出すために、粗描を基に本格的な美禰子の肖像画を描こうと決めて、美禰子にモデルになるよう頼んだ〈第7章〉

④美禰子は、それなら三四郎と出逢ったあの日の姿を描いてもらいたいと、団扇を賢し、単衣の着物姿を原口に希望した。美禰子は愛している三四郎との出逢いを、「森の女」の中に描かれていたら、自分の強い想い(愛)が三四郎に伝わるだろうと思った(第7章)

⑤美禰子は、三四郎に金を貸すために自宅に招いた。その後、通帳を渡し銀行で引き出してもらい、展覧会に出掛けた。これらの行為は三四郎に対する美禰子の愛から出たものであった。かなり三四郎との結婚を意識している。しかし、美禰子の気持ちは三四郎に伝わらず、お互いにすれ違いが多かった(第8章)

⑥アトリエで絵を描き出したのは、冬に入ってからである。美禰子はモデルとしてアトリエに通った。その内に、とうとう兄の結婚が決まってしまい、また自分の見合いも纏まってしまった。しかしまだ三四郎には言えない(第10章)

⑦美禰子は三四郎と別れることになるが、この「森の女」を三四郎との記念に残そうと思い、三四郎がアトリエにきた時に「森の女」はあなたと出逢った日の服装と団扇ですよと示した。この構図は私とあなただけが知っている記念なので私の胸に残しますと暗に伝えた。

気楽に楽しむ漱石入門「三四郎」』武田邦彦 (文芸社刊 2016年)より  R0720250626

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