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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

美禰子の心と三四郎の関係 気楽に楽しむ漱石入門「三四郎」』武田邦彦 (文芸社刊 2016年)より

美禰子の心と三四郎の関係

これまでの経過を復習も兼ねてまとめておきたい。一月前に美禰子が、展覧会に出す肖像画のモデルになった時は、三四郎との結婚が視野にあり、原口が、これまでに少しずつ描いていた「森の女」の祖描祖描画に、単衣を許て団扇を幣している美淵子の姿を描き加えて、完成させることを希望した。これならば、三四郎と出逢ったあの日の姿であり、三四郎との出逢いの記念として、美禰子の想い(愛)を示すことができると思った。
しかし、三四郎は、その後も美禰子の心がわからないままに悶々として、時間のみが経過していた。そのうちに兄の縁談や自分の見合いが行われ、とうとう三四郎の知らないところで、美禰子の縁談も決まってしまった。
そうとは知らない三四郎は借りた金を返すために原口のアトリエに美禰子を訪ねたが、美禰子の気分は重かった。今となっては、美禰子が取り掛かった時の肖像画の意味がなくなっている。モデルとしてポーズを取ることさえ疲れる。
アトリエを出て二人で帰る途中に、三四郎は金を返すのが目的でなく、「ただあなたに逢いたいから、来たのです」と初めてはっきりと美禰子に告白したが、美禰子から微かな溜め息が漏れるだけであった(もう、遅い…… )。
二人は暫く黙って歩いていたが、美禰子は、ようやく、あの肖像両のことを説明し出した。あの肖像画は、あの日の二人の出逢いの思い出、団扇を蒻して高い所に立っていた美禰子の姿だということを……。しかし、それ以上は言えなかった。
その時、美禰子は、せめてあの日の美禰子の姿を「森の女」の絵の中に、二人の記念として永遠に残そうと思った。(次の『ハイドリオタフィア』の項参照)

気楽に楽しむ漱石入門「三四郎」』武田邦彦 (文芸社刊 2016年)より  R0720250627
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