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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

日本側の問題点 『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より

日本側の問題点

いずれにしても、戦争前の日本は、一見して「あまり利口ではないな」という状態でした。

1.アメリカは日本を敵視していた。
2.日本が唯一、白人の秩序を乱していた。
3.支那は白人の秩序に従っていた。
4.他の有色人種の国は力が弱かった。
5.敵国アメリカを信頼して基礎工業原料を求めていた。
6.国際世論のエ作をほとんどせず、コミンテルンなどに対しても無防備だった。

このような特徴は、日本の武士が潔いことを第一としていた影響があると思います。
「男は黙って……」という感じだったのです。
このような基礎的環境の中で、ヨーロッパではヒトラーのナチス党が台頭して戦争の危機が迫り、アメリカでは日本嫌いのルーズベルトが大統領になり、さらに支那では国共合作など中国共産党が、日本と中華民国を戦わせて漁夫の利を得る作戦をとり始めていました。
それでもまだ日本の新聞、知識人、軍人はそろって「日本は国際世論を無視し、白人の秩序を壊し、資源を失っても、日本が正しいと思うことを貫くのだ。日本は神国だ」と夢のようなことを言っていたのです。
1930年代の終わりから、アメリカは日本と戦争する謀略作戦に入っています。すでに書いたようにアメリカが戦争するときには、まず「自分が始める戦争が正義であり、相手が始めたように形式を整える」というところから始めます。
アメリカが日本を戦争に追い込む方法として採用したのは、主に次の7つです。

1 世界の中で日本だけに「占領地から撤退せよ」と求める。そうすると日本は、アメリカもイギリスも植民地から撤退しないから、平等な要求に屈することはできないと考える。

2.日本の武力、特に海軍力を国際協定で制限してアメリカが戦える軍事力の範囲にしておく。

3.中国をけしかけて日本を戦争に巻き込む。この連携は密かに進められ、中華民国の蒋介石とその夫人・宋美齢(そうびれい)によって上海(シャンハイ)事変とアメリカに対する対日宣伝が行われた。

4.最終段階で日米の交渉を行い、交渉ごとに無理難題を出していく。

5.平行して、日本に対してABCD包囲網(アメリカ、イギリス、支那、オランダ)を作る。

6.最後に絶対に日本がのめない要求を突きつけ、石油と鉄の禁輸を行う。それまで日本にはアメリカが友好国であると思わせておき、邪悪な考えを悟られないようにし、日本には石油と鉄を輸出する。

7.さらに日本が戦争を決意したら、攻撃されるアメリカの前線部隊には日本の動きそんな不を教えない。実際にはアメリカは日本の暗号を解読して、連合艦隊によるハワイ奇襲を知っていながら、空母部隊を避難させただけで日本の奇襲を許し、友軍を見殺しにした。その代わりに「日本が戦争を始めた」という事実(口実)を手に入れた。

戦争は冷酷なもので、その冷酷さにへこたれないことが勝利を呼びます。アメリカには小さな犠牲をいとわない(たとえば、アメリカのハワイ空軍基地が日本軍の奇襲にあって数千人のアメリカ兵が死んでも、それより戦争全体に勝利する方を優先する)というゴツさがありました。
アメリカン・インディアンとの戦い、メキシコ戦、スペイン戦、そして日本に対して戦争をさせる手口は実に見事なものでした。その後も、ベトナム戦争ではトンキン湾事件をでっち上げたりしました。
その後のイラクのフセイン大統領を攻撃した「大量破壊兵器の存在」がアメリカ自らの創作だったことなどを考えると、アメリカの事前の作戦が実に巧妙で、反道徳的であることがわかります。
いずれにしても、「ABCD包囲網」「石油と鉄の禁輸」、そして「満洲からの撤兵」を求められて、日本は退路を断たれ、大東亜戦争に踏み出します。
戦争を決めた御前会議で、当時の永野修身軍令部総長が、「進むも地獄、引くも地獄。しかし、魂を屈して退けば日本人の魂が破壊されて二度と再び立ち上がることはできないだろう。それより進んで破滅したほうが魂が残るから、日本は再び繁栄する」と言って戦争を始めたのは、実に正しい見方でした。
事実、戦争には負けましたが、その後の日本は見事に立ち直り、戦後の廃墟から、朝鮮特需を経て、高度経済成長を成し遂げ、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われるまでになったことがそれを示しています。





『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)

『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720251101
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