
第7項 ガソリンをやめて電気自動車やバイオエタノールに ◎ そのわけ
電気自動車は電気で動きます。そして電気を作るには、主として石油などの化石燃料を燃やすか、原子力を使うかの二つしかありません。太陽電池や風力発電でも電気ができますが、現在の技術では自然エネルギーからの電気を自動車に使うのは無理です。
今は電気の多くを石油などを燃やして作っていますので、発電所でCOが出ます。そこで「温暖化を防ぐためにC02を減らしましょう。C02を減らすために電気をこまめに消しましょう。環境のために電気自動車に乗りましょう」と日本政府が呼びかけています。
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家庭の電灯はC02を出すけれど、電気自動車はC02を出さないげ石油などを燃やして電気を作っているのですから、電気自動車を走らせると言うことは、ガソリンを使って走るのと同じです。
電気自動車が環境に良いという宣伝がテレビで放映されたら、よくよく耳を澄ませてください。かならず「走行時にはCOを出さない」と断っています。つまり、電気を作るときにはC0を出すけれど、電気自動車が走っているときにはC0は出さないと言っているだけです。
それなら、テレビも電灯も同じです。
テレビをつけてもテレビからはCOが出るのではなく、「テレビに使う電気を作るときにC02が出る」のです。日本政府は「テレビはこまめに消しましょう」と呼びかけて、同時に電気自動車を勧めます。なぜでしょうか?
それは「利権」があるからです。「家庭の電灯やテレビはC02が出る」と言えば、「省エネタイプの蛍光灯に替えましょう」ということになりますから、蛍光灯会社が儲かります。
次に、「電気自動車は走っているときにはC02を出しません」と言うと、電気自動車のメーカーが儲かります。
反対に「家庭の電灯はつけている時には、C02が出ません」と言えば、蛍光灯は売れなくなります。「家庭の電灯をつけている時には」というのと「電気自動車が走行中は」というのとは同じだからです。
また、「電気自動車はC02がでます」というと、買い替えをしなくなります。それでは電気自動車が売れません。
『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20251227
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