ウソで儲ける、製薬会社と医者たち
それでも2009年から、ようやくまともな意見が出てきました。
厚労省でコレステロールに関する委員会が開かれます。多くの医師は良心的で「最近コレステロールを悪者だとして抑制する人が多くなったので、認知症になったり、記憶を呼び起こすことが遅くなっている人が増えてきた」「細胞も弱くなってきたのでいろんな病気を併発するし、熱中症なども出てきた」「血圧も低くなってきた」「こういうことが起こってきたのでこの誤解を解いてコレステロールの制限を緩めたほうがいいのではないか」という問題提起が委員会でな されました。
ところがそのときに、コレステロールの制限撤廃に反対する医師がいました。実はコレステロールを下げるということで非常に良く効く薬があって、この薬価がものすごく高いのですが、これをつくっているグループを背景とした病院の医師が反対したのです。それでそのときに「コレステロールの基準を下げてもらっては困る。病院の経営のことをわかっていないのか!」と言ったのです。
だからコレステロール値の高い患者さんが来ると、病院はニッコリします。コレステロール値を下げる薬を調合できますから、そうすると薬価が高いのでごっそりお金が入るのです。血圧降下剤と似ていて、それはもう病院にとってはやめられない‥‥。
ところが、この議事録が外部に流出してしまいました。
本当は国の委員会なので議事録は全部公開していいのですが、委員会の多くはいつも利権と関係しているので、その議事録は原則非公開としているのです。
これは新型コロナウイルスの場合もそうです。専門家委員会の議事録は公開しないといって世間の批判を浴びて、それで公開しても全部黒塗りだったりするのです。
「実はコレステロールを下げる必要はないけれど、下げるという基準をつくってくれないとお金がもらえないから病院経営が成り 立たない」という議事録が表に出たわけです。酷(ひど)い話ですね。
『フェイクニュースを見破る 武器としての理系思考』武田邦彦 (ビジネス社刊) R060622 P140