アタマの良いヤツほどズルをする
日本国の借金がある。子どもにツケを回してはいけない。だから、消費税を上げるのだというロジックに、日本国中が見事に引っかかってしまいました。
それは財務省の官僚とNHKなどが考えたことです。
私が大学の先生をやっていて、一番失望するのは「教育すればするほど、頭の良い学生であればあるほどズルをする」ということです。
本来であれば、頭が良くて学問もあって、機転も利いて人格が高くなければいけません。人格が高いことと能力のあることがイコールでなければいけません。
しかし、高学歴になればなるほど「能力はあるけど人格は低い」というような人が登場する‥‥。
国家公務員になるような人は、試験に受かったときには、「日本を良くしよう」と思っているはず。ところが現実は違います。あるとき私は「日本はどうなってもいいから、自分がお金を儲けて楽な生活をすればいいや、という心に変わるのはどのくらいですか?」と知り合いの役人に尋ねたことがあります。するとその人は「数年で変わりますよ」と答えました。人間とはそうしたものなのでしょう‥‥。
ですから、とにかく私たち国民が彼らをよく監視をすることが大事なのです。
マスコミはあくまでも「こういう事実があった」「天下りでこの人はどのくらい儲けた」「天下りしたのはこういう理由だ」ということをデータとしてちゃんと発表してくれるだけでいい。そうすれば国民が気づきます。
マスコミが「自分たちが監視の役割を果たす」「直接政府とか官僚を批判する」などといったところで、そういうマ スコミも自分たちの損得で動いているというのはこれまでに記してきたとおり。その典型的な例が「日本の借金と消費税」のようなウソの報道なのです。
地震予知も、まったく予想できないということがわかっていながら、国の科学振興予算を確保するために国民全体にウソをついて、そのせいでたくさん の被害者を出してきました。
血圧の問題も「高齢者は血圧が高い」「高齢者は死亡率が高い」という極めて自然な事象を組み合わせて「血圧の高い人は死亡する」というグラフをつくり、減塩運動を展開したという事実がありました。
日本国に借金が1000兆円もあって子ども1人あたり870万円以上のッケを回すというのも完全なデタラメです。そういうウソをずっと続けてきたために日本は1990年のバブルの崩壊から今まで30年間、実質的な国民1人あたりの年間所得は450万円というのがほとんど変わらないという先進国の中で際立って低成長の国になってしまいました。
アメリカにももちろんインチキはありますが、それでも一応全体としてはちゃんとしてきたので平均年収は今だと日本円換算で1200万円ぐらいになっています。
日本も財務省とマスコミのウソがなければ平均年収はアメリカと同様に1200万円ぐらいになっていたでしょう。
私たちはそういうことを真剣に考えて、これからは騙されないぞという 強い思いでいないとマズイのではないか というのが私の考えなのです。
『フェイクニュースを見破る 武器としての理系思考』武田邦彦 (ビジネス社刊) R060628 P158