◎ 生物に近いほうが危ない
女性の胸を大きくするときに、シリコンを使うことを知っている人は多いと思います。
なぜ、シリコンを使うかというと、「シリコンが自然界に無いので、人体がなんだかわからないから」という理由です。
つまり、生物は自分に近いものは識別できるのですが、見慣れないものは無視します。
そこでシリコンのような「完全に人工的なもの」は拒否反応を起こさないので、安全なのです。
だから、「トウモロコシから作る」と言うことを聞いただけで、「それは危ない」と私は感じたのです。そして、「微生物が分解する」というのが、またゾッとします。
化学物質なら私たちの知識でなんとかなるのですが、生物が関係すると、まだ正確にはわかりません。学問的には安全と言われている、遺伝子作物とか、クローンウシに私が疑問を投げているのは、そこまで学問が進んでいないからです。
「トウモロコシで作ったエコバッグを、土の上に置き去りにする」というのは、遺伝子作物を食べるよりずっとずっと危険です。
『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260105
武田邦彦先生著作物取り扱い店