◎ 裏話
一時、プラスチックが野山に捨てられたことがあります。プラスチックは自然の中ではゆっくりと分解しますから、人間の目にとまったのです。もちろん、プラスチックを野山に捨てるなど言語道断ですが、「分解しにくい」ということは、自然に対しては良いことなのです。
でも、社会は何かを錯覚して「分解した方が目立たなくて良い」と考えて「生分解性物質」の研究開発が盛んになりました。研究をするのはとても良いことですが、「微生物が分解するから環境に良い」というのはいただけません。
「エコ」という名前だけで容易に分解するものを作るのは危険です。
『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260106
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