●「科学的手法で未来を予測することはできない」だから、未来を予測する科学者の言うことは信用してはいけません
また、科学は「整理の学」「解析の学」とも言います。
つまり、物事を整理し、数式などを使って解析し、「これはこういうことだった」と分析するのが科学であって、未来を予測するのは科学ではありません。
「未来学」というものもありますが、これは過去のデータを分析して未来を確率的に論じるもの。数学的アプローチをとっているので学問として成立しているのかもしれませんが、いわゆる自然科学や社会科学とは別種のものだと言えるでしょう。
言うまでもなく、「未来を予測する」というのは非常に難しいことです。
2020 年に世界中で感染拡大した新型コロナウイルスについても、今後どうなるかはわかりません。
2019年11月末に最初の患者が出たとされ、12月に中国の武漢で流行(はや)り始め、それから世界に広まっていったわけですが、その過程で多くの識者がさまざまな予測をしました。
ノーベル賞学者の中にも予測的なことを言った方がおられますが、結局それもまったくハズレていました。
これが意味することは、ノーベル賞を受賞した学者のような頭の良い人だからといってそうそう予測が当たるものではないということ。これも「科学的手法で未来を予測することはできない」ということの一つの証拠と言えるでしょう。
地震予知や火山噴火の予測が当たらないというのも同じでことです。本来、科学は未来を予知するための学問ではないのです。
したがって、未来を予測する科学者の言うことは信用してはいけません。もしも科学が未来を予測するのに適しているのであれば、科学者は株や為替で大儲けをして悠々自適の生活をしているはずです。
しかし、ほとんどの科学者は貧乏で、研究費を得るために苦労しているというのが実際のところです。
『フェイクニュースを見破る 武器としての理系思考』武田邦彦 (ビジネス社刊) R060515 P022