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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

II フランス革命前夜 〰「人」がいなかった時代 『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より

II フランス革命前夜 〰「人」がいなかった時代

「人間ではない人間」がいた?

フランス革命前夜は、現代の人から見ると、もう一つ理解できないことがあります。
それは、フランス革命の前は「人が人ではなかった」ということです。
当時のヨーロッパでは、人間は「高貴な人間」「完全な人間」「不完全な人間」「人間ではない人間」の4つに分かれていました。インドのカースト制度では、最上級のバラモンから最下級のシュードラまで4つに分かれた人間がいて、どんなに出世してもそれを破ることができないことが有名ですが、それはヨーロッパでも同じだったのです。
「高貴な人間」の代表が王族と貴族で、社会の指導層として特別豊かな生活をしていました。次は「完全な人間」で、「白人」+「男性」+「成人」+「社会的な義務を果たす」という4つの条件が必要でした。簡単に言うと「独立した生活を営むことができる成人の白人男性」ということです。
では、女性はどうだったのでしょうか。失礼な話ですが、女性は「不完全な人間」とされていて、単に「人」と言った場合、女性を含まないのが普通でした。たとえば、フランスの人権宣言では「人は生まれながらに平等」としていますが、この場合の「人」は「高貴な人間」と「完全な人間」だけを示した単語が使われていて、「不完全な人間」や「人間ではない人間」は含んでいません。
有色人種も「不完全な人間」、そしてアフリカから連れてきた奴隷やロシアには農奴(のうど)がいて、これらの人は「人間ではない人間」でした。
つまり、フランス革命の人権宣言は人類に「平等」をもたらしたとされていますが、その実、平等は「成人の白人男性」だけに限られていたのです。このことからも、現在の常識で歴史を考えてはいけないことがよくわかります。





『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)

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