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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

資源確保(死活問題)と開戦決断の論理構造『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より

資源確保(死活問題)と開戦決断の論理構造

ですから、アメリカが物資を禁輸したら、どうしてもマレーシアに進軍して錫(すず)などの金属資源を得たり、インドネシアに出て行って原油を確保しなければなりません。
しかし、インドシナはフランス、マレー半島はイギリス、そしてインドネシアはオランダが占領していたので、そこに軍隊を進駐させる必要があります。そのときに、アメリカの軍事基地をやっつけておかないと南に進軍する日本軍の横からアメリカが攻めて来るので、アメリカの基地も叩いておく必要があります。
結局、日本はインドシナに進駐(「仏印進駐」と呼ばれる)、マレー作戦(山下奉文大将の部隊)、ハワイ奇襲(日本連合艦隊)の作戦が始まることになります。
でも、日本は最終的に大東亜戦争に負けたので、日本人の中には「戦争を始めたのが悪かった」と言う人がいます。そこで、少し考えてみましょう。
もし、日本がアメリカの言うなりにすべての占領地から軍隊を引いたらどうなったでしょうか。当時の軍令部総長が御前会議で発言した内容がもっともよく当時の指導者の気分を表しています。
「政府側陳述によれば、アメリカの主張に屈服すれば亡国必至であるとのことであったが、戦うもまた亡国であるかも知れない。
すなわち戦わざれば亡国必至、戦うもまた亡国を免れぬとすれば、戦わずして亡国にゆだねるは身も心も民族永遠の亡国であるが、戦って護国の精神に徹するならば、たとい戦い勝たずとも祖国護持の精神がのこり、われらの子孫は必ず再起三起するであろう。
統帥部としてはもとより先刻申したとおり、あくまで外交交渉によって目的貫遂を望むものであるが、もし不幸にして開戦と決し大命が発せられるようなことになるならば、勇躍戦いに赴き最後の一兵まで戦う覚悟である」
かつて友好国だったアメリカに裏切られたら日本は退くことも前に出ることもできない状態だったのです。このとき、「反戦グループ」というのがいて、日本の国論が割れていたのではありません。共産主義のコミンテルンの指令に基づいて行動していた当時の共産党を除けば、国民もまた「戦わずして滅びるなら、戦おう」と思っていたのです。
日本人は頭もよく、覚悟もできるのですが、根気がなく、途中で議論を放棄して激しい行動を起こすか、逆にナアナアになることがあります。現在でも同じで、日本は戦争に負けて70年が過ぎ、すでに「サンフランシスコ平和条約」で独立を取り戻してはいるのですが、それは形式だけで、現実には「平和憲法」「自衛隊」「日本に駐屯するアメリカ軍」「集団的自衛権を求める国連への加盟」「安全保障理事会べの参加」など、半独立
のまま矛盾した政策をとっています。





『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)

『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720251031
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