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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

第4章 人種差別との戦い 第一次世界大戦と人種差別撤廃への日本の努力『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より

第4章 人種差別との戦い 第一次世界大戦と人種差別撤廃への日本の努力

弱肉強食の国際社会

無限とも言えるぐらいの生物の種類がある中で、人間とは不思議で特別な生き物です。
自然が急激に変化して餌が得られなくなり、ある生物の集団がバタバタと餓死することがあります。それは草食動物でも肉食動物でも危機に陥ることがあるのですが、そんなときでも、人間以外の普通の生物は仲間を殺して食べるということはしません。
時に「共食いをする生物」というのがいて話題になりますが、それは原始的な生物でかつ珍しいものです。それに対して、人間という生物は自分が餓死するというような切羽詰まった危機が訪れなくても人間同士で殺し合います。これはおそらく人間の頭脳が極端に大きくなり、「生物的な本能が抑制されて、異常な考えが大脳に浮かぶ」というのが原因と考えられます。
また、人間同士で殺し合うときには、「自分からやや遠い民族」と思うとあまり感情も沸かず、さらに大脳支配になるようです。それが「人種差別」であり、「黒人の奴隷制度」や「アメリカン・インディアンの虐殺」の原因となっています。
それに加えて、今から4000年ほど前にカスピ海のあたりに住んでいた「アーリア人」という人種がその後の世界に大きな影響を与えました。
人類の歴史を広い視野で見ることを怠ったり、ヨーロッパ(アーリア人の国家群)の見方に染まったりしていると、まったく違う印象を持つことになりますが、「強い国が弱い国をやっつける」というのが当然のことのように行われていたのは、アーリア人と支那人の国家だけで、その他の国は特殊な時期を別にすると、自分の住んでいるところで満足し、自分が強いからといって他国を侵略するということはありませんでした。
この意味では日本の北方に住んでいたアイヌ民族は傑出していて、アイヌ民族同士が争った歴史的事実はおそらくゼロと考えられます。著者は長くアイヌの使用する道具や文化を研究してきました。アイヌには「動物を狩猟する道具」というのは多数ありましたし、特にクマなどの大型動物を仕留める強力な武器を持っていましたが、アイヌの遺跡からは「人間を殺裁するための刀、弓、鏃(やじり)」などは一切、出土していないのです。
アイヌには文字がありませんから伝承しかないのですが、その伝承でも和人(現在の日本人でアイヌ民族を除く)との戦いを別にすると、アイヌ同士の争いの伝承はありません。また共同研究をしていた東大の文学部の調査では、これまで発掘されたアイヌの骨の中で刀傷が見られるのはわずか3体と言われ、それはおそらく戦争ではなく、単なる私的な争いの結果と見られています。





『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)

『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720250926
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