時代が爆発的に変化した瞬間
地球はもともと「温暖な時代」と「寒冷な時代」を繰り返しますが、その頃、地球の気温がかなり冷えて、今のドイツなどの地域では住むのが難しくなりました。太陽の活動は、ほぼ600年ごとに大きくなったり小さくなったりしますから、西暦400年頃から寒くなり、西暦1000年ごろには逆に温かくなりました。
それが原因で、ヨーロッパでは西暦400年から500年にかけて、北の国の人がイタリアなどに逃れてローマ帝国(厳密に言えば、西ローマ帝国)は滅亡しました。逆に1000年頃にはノルマンという北方民族が北極圏、アイルランド、グリーンランドなどの北の地域で活躍しました。これも、この頃、地球が温かくなり北の海の氷が融けたので、小さいボートでも十分に北の海に進出できたからでした。
ちなみに、現在は1700年頃の「寒冷期(littleice age)」から太陽の変化で温暖化が進んでいる最中で、それは2300年ぐらいまで続くと考えられています。
このように、フランス革命前夜は、フランス社会に大きな矛盾がたまっているのに、それに気がつかずに生活をしていたのですが、「アメリカ独立」という刺激が人の心に影響を与え、フランスはどっと雪崩(なだれ)を打って新しい時代に突入したのです。
そして、新しい時代が拓かれると「なんで、あんなに不合理な社会に住んでいたのだろう?」という疑問が沸き、フランス革命時には「貴族などいらないのに、なぜ貴族だけが仕事もしないのに豊かな生活を送っているんだ!」ということに、みなが突然気がついたのです。
不満の爆発は激しく、歴史的に有名な「バスティーユ監獄」の襲撃には、男性ばかりではなく家庭にいた夫人までが槍(やり)を手にして襲撃に加わっています。まさに、時代が爆発的に変化した瞬間でした。
『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)
『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720250815