広い家と狭い家
これは私の経験では昔、アメリカ人が日本に住みだしたとき、40年ぐらい前ですが、その頃は、アメリカは非常に部屋の数が多くて、日本は居間があって、みんなが居間に集って、なんだったら兄弟は一緒に寝るという、そんな生活だったんですね。あるいは寝室が1部屋とか1部屋半くらいの大きさとかの時代だったんです。その時代に日本に来たアメリカ人がよく言っていたのは「日本人っていいね。家族が一緒で…・:」と言うんですよ。「私のところなんかはもう家族がバラバラで、娘がどうの、息子はどうの： ・:」と言っているんです。ですから、日本の生活は良いなぁと言っていました。
そういう家族がバラバラになるということもあります。
それから食事もそうですね。食事というのは、これは昨日もちょっとテレビでお話をしたんですけれども、そこにお金持ちが2人いたんですよ。一人は「この頃、高い寿司も美味しさを感じない、美味しさに感激しない」というふう
に言っている。もう一人は「俺はね、ちょっとバラエティーがあるから……」と言う話をしていたので、僕が「実は味覚というのは、時々不味いものを食べると復活するんですよ。フェヒナーの法則があリまして」というふうに説明して、みんな「そうかぁ」と言っていましたけどね。
ですからお金持ちになりますと、いろいろ不満が溜まるわけです。
『幸福とは何か』武田邦彦（武田邦彦先生音声ブログKindle版大島久幸氏編 より）(雲雀電子出版) 20250311
