白人崇拝の日本人による西欧史観の押しつけによる分断工作
いずれにしても、世界はまずスペイン、ポルトガルによって侵略され、植民地化されていきました。その後に続いたのがオランダ(インドネシアまで)、イギリス(カナダマダカスカル、インド、ビルマ、オーストラリア、ニュージーランドなど七つの海を支配)でした。そして19世紀の終わりにはベルリンで「アフリカ分割会議」が開かれ、ドイツ、フランスを加えて、まったくアフリカの国家や部族に相談せずにアフリカを「分割統治」してしまったのです。
また、ロシアはモスコーを中心としたアーリア人国家ですが、17世紀から力をつけて東方に進出、ウラル山脈を越えて、伝統的にトルコ系民族やモンゴル系の人たちが住んでいたシベリアを渡り、日本海まで進出します。また、南方にも何回も進出しようとしますが、トルコや、イギリス・フランスなどのアーリア人国家に阻まれて南方への進出は部分的なもので終わりました。
このような歴史を日本人で勉強している人が少ないので、後に20世紀に日本が行った行為を「侵略」と言ったり、南京(ナンキン)で戦闘中に死亡した民間人を「虐殺」としていますが、これらのアーリア人の世界制覇における侵略や虐殺に比べると、比較にならないほど小さく、まった<次元の異なるものです。でも、日本人の中にも白人崇拝に凝り固まった人がいて、ヨーロッパ人が作り上げた「自分たちに有利な歴史と用語」を使って日本の歴史教育が行われたことが、現在の日本人の歴史観の分裂を招いています。
『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)
『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720250825