5 生と幸福
幸福というテーマで少し考えておりまして、第5回目でありますが、最初は動物というものの持つ特性をやりました。そして前回は利他と利己、つまり我々は自分が幸福であるかということをもって幸福の尺度としようとしていますが、どうも動物も植物も、生物というのは自分の幸せを幸せと考えるのではなくて、同族ですね。同族の範囲はいろいろあるんですが、同じ族の幸福を幸福と思うわけであり、自分が幸福かどうかという尺度で幸福を考えてはいけないのではないかという話もしました。
今回は、また別の角度からということで、「生まれと幸福」と読んでいただきたいんですが、そういうものを考えます。人間は現在が幸福かどうか。例えば、収入が多いかとか、伴侶に恵まれたかとか、家族はみんな健康かとか、自分は比較的きちんとした生活を送ってきたかというようなことが幸福を決めると思っておりますが、実は、人間というのはもう少し大きなものがあるんじゃないかと思います。
例えば、なぜ自分は人間として生まれたのか? なぜ自分は犬じゃなかったのか、もしくはミミズじゃなかったのか? 自分がミミズでないということはどういうことなのか? ということですね。これは少し考えてみなければいけないわけであります。
人間として生まれたにしても時期がありますね。例えば、戦争がしょっちゅう行われている侍のいる時代に生まれる、もしくはそんなに遠くなくても、ほんの100年も前だったら1920年、今から100年前の日本人の平均寿命は男女ともに43歳ですから、私なんかとうの昔にいないと……。それから戦争も打ち続いておりますから、私のような男性は兵隊にとられて今頃どこかの外地で死んでいるでしょうね。
『幸福とは何か』武田邦彦(武田邦彦先生音声ブログKindle版大島久幸氏編 より)(雲雀電子出版) 20250210
幸福というテーマで少し考えておりまして、第5回目でありますが、最初は動物というものの持つ特性をやりました。そして前回は利他と利己、つまり我々は自分が幸福であるかということをもって幸福の尺度としようとしていますが、どうも動物も植物も、生物というのは自分の幸せを幸せと考えるのではなくて、同族ですね。同族の範囲はいろいろあるんですが、同じ族の幸福を幸福と思うわけであり、自分が幸福かどうかという尺度で幸福を考えてはいけないのではないかという話もしました。
今回は、また別の角度からということで、「生まれと幸福」と読んでいただきたいんですが、そういうものを考えます。人間は現在が幸福かどうか。例えば、収入が多いかとか、伴侶に恵まれたかとか、家族はみんな健康かとか、自分は比較的きちんとした生活を送ってきたかというようなことが幸福を決めると思っておりますが、実は、人間というのはもう少し大きなものがあるんじゃないかと思います。
例えば、なぜ自分は人間として生まれたのか? なぜ自分は犬じゃなかったのか、もしくはミミズじゃなかったのか? 自分がミミズでないということはどういうことなのか? ということですね。これは少し考えてみなければいけないわけであります。
人間として生まれたにしても時期がありますね。例えば、戦争がしょっちゅう行われている侍のいる時代に生まれる、もしくはそんなに遠くなくても、ほんの100年も前だったら1920年、今から100年前の日本人の平均寿命は男女ともに43歳ですから、私なんかとうの昔にいないと……。それから戦争も打ち続いておりますから、私のような男性は兵隊にとられて今頃どこかの外地で死んでいるでしょうね。
『幸福とは何か』武田邦彦(武田邦彦先生音声ブログKindle版大島久幸氏編 より)(雲雀電子出版) 20250210