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yymm77

日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

菊人形展に行く 気楽に楽しむ漱石入門「三四郎」』武田邦彦 (文芸社刊 2016年)より

菊人形展に行く

翌日は日曜である。三四郎は昼飯を済まして西片町へ行った。新調の制服を着て、光った靴を履いている。先生の家は門を入ると左手が庭で、木戸を開ければ座敷の縁側に出られる。三四郎はふと庭の中の話し声が聞こえた。野々宮と美禰子が何かを言い争っている。
三四郎が入ってきたので二人の会話は中断した。縁側には先生が相変わらず哲学を吹いている。傍によし子がいる。三四郎が来たので、出掛けることになった。
出ようとすると、二階の障子が開いて与次郎が三四郎に声を掛けた。自分は行かない、今論文を書いていて忙しいとのことであった。三四郎は先に行く四人を追いかけた。三四郎はこの一団の影を高い空気の下に認めた時、自分の今の生活が熊本当時のそれよリもずっと意味の深いものになリつつあると感じた。かつて考えた三つの世界のうちで、第二の世界と第三の世界が正にこの一団の影で代表されている。影の半分は薄黒くて、半分は花野のごとく明るい。自分もいつの間にかこの中に織リ込まれている。しかしどこか落ち着かない。不安の原因は野々宮と美禰子が先ほど言い争っていたことにある。三四郎は直ぐ追いついた。
暫くしてまた、美禰子と野々宮がさっきの続きを話し出した。空中飛行機の話のようである。野々宮は理学士だから物事を科学的に考える。美禰子は詩人だから理屈ではなく叙情的に物事を見る。
その後、話ができないほどの人混み通リに出た。

気楽に楽しむ漱石入門「三四郎」』武田邦彦 (文芸社刊 2016年)より  R0720250514
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