
第10項 冷房の設定温度は28度で温暖化防止? ◎そのわけ
NHKがずっと「温暖化で環境が破壊されている」と報道して、視聴者に「冷房温度を28℃にしてC02の削減に協力しましょう」と呼びかけているのを知っていると思います。
ところが驚くべき事がわかったのです。NHKは、C0を1990年を基準として、6%削減しなければならないと毎日のように報道してきました。1990年は「京都議定書」で定められた計算の基準年だからです。
でも、そのNHKが、実は、80%もCo(正確には電力消費、但し電力消費が全体の90%)を増加させていたことがわかったのです。
この事実は2008年12月の末にNHKが「温暖化防止」を目的として教育テレビの放送時間を短縮したときに、NHKの会長挨拶がありましたが、その前にアナウンサーが言った事実です。なにしろNHK本人が言ったのですから、確かです。
私はこの放送を聞いて血が逆流しました。
それはほぼ1年ほど前の夏のことでした。FMで受験生番組を放送していましたら、ある男子古向校生(受信者)から電話がありました。彼は私にこう言ったのです。
「ボクは地球温暖化防止に協力しようと部屋の温度を28℃に設定しているのですが、暑くて勉強に身が入りません。25℃にしても温暖化には悪い影響がないでしょうか?」
この男子高校生は真面目に地球環境を心配し、「自分には何ができるのか?」と考えて、我慢して28℃に冷房温度を設定しているのです。若い男性ですから、暑くては勉強に身が入らないでしょう。
NHKは国民に「C02を減らそう。あなたにできることは?」と呼びかけ、6%削減を繰り返し求めました。そして真面目な男子商校生は勉強の能率を犠牲にしてきました。
ところがです。NHKは自分は80%もC02を増やし、それを黙っていたのです。そんな不誠実な人がこの世にいるでしょうか? 「温暖化で地球が破壊されている」、「だから温暖化を防止しなければならない」、「C0を削減しよう」、「あなたにできることは?」と言ったのにです。
「確かに、地球温暖化を防ぐのは大切かも知れないけれど、私たちNHKが80%もC02を増やしているのに、視聴者に減らそうと私の口からは言えない」と言う人はいなかったのでしょうか?
このことを聞けば、なぞなぞのようだったチョイスの意味がわかってもらえたと思います。
つまり、本当にNHKを信じていたら、NHKがすることは良いことだと思うでしょうから、C02を80%まで増やさなければなりません。ということは冷房温度は25℃どころかさらに下げなければならないでしょう。
その反対にNHKが嫌いで受信料の支払いを拒否している人も、NHKの温暖化番組で「C02を減らそう、あなたには何ができますか?」と呼びかけているのですから、それを無視して25℃にすることになります。
つまり、28℃にする人はいないはずなのです。
でも日本人の多くが「冷房温度を上げなければならない。なにか罪深い気がする」と感じています。
『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260112
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