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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

◎ ツバルものがたり 『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より

◎ ツバルものがたり

南太平洋に浮かぶ島、ツバルが沈んでいくという報道が日本で盛んに行われています。
ツバルはサンゴ礁なので、もともとが海面に近い高さのところに民家が建っているので、温暖化で海水面が上がり、その影響で、床上まで浸水していると言われています。今では日本の女子高校生も「ツバルを救え」と言っているほど「沈没事件」で有名になりました。
ツバルという島はいったい、どういう島なのでしょうか?
今から100年以上前の1892年にイギリスが保護領にした時が、歴史に登場する最初です。その時にイギリス本国への報告の一部を次に示します。
「大半がマングローブの林で覆われた湿地で、満潮時にはわずかな陸地に空いた無数の穴から海水がわき出していた」とあります。
つまり、ツバルは海水面ギリギリで、干潮時には海の上に顔を出し、満潮時には海水がわき出してくるような島だったのです。
それから50年、太平洋戦争が起こった次の年の9月に今度はこの島に、日本軍を追撃してきたアメリカ軍が上陸します。
アメリカ軍はそこら辺のサンゴ礁をはぎ取って海を埋め立て、突貫工事で1500メートルの滑走路を完成させたのです。その時にサンゴ礁は完全に傷んでしまいました。
急ごしらえの埋め立てですから次第に地盤沈下を起こして現在に至ります。ツバルは戦争が終わって、約30年後に独立しますが、その後のツバルの海の海水面は、ハワイ大学、オーストラリア国立潮位学研究所、ツバルの気象庁にあたる機関が測定しています。

その結果、

一、ハワイ大学: 独立後22年で0.02メートル(ほんのわずか)上昇している。

二、オーストラリア国立潮位学研究所: この地域で海水面上昇は観測されていない。

三、ツバル気象局長論文(ヴァヴァ氏): 海水面は潮位計設置後、約6年で0.14メートルほど低下している。

つまり、ツバルの周りの海水面は上がっていないのですが、ツバルはもともと満潮時には海水が噴き出すサンゴ礁の島だったので、地盤が沈下しているところは浸水するということだったのです。ツバルの問題を「自然と環境」という視点から捉えると、アメリカ軍が作った飛行場が次第にその陰を無くし、海水面ギリギリの島でマングローブがはえているかつてのツバルに戻っていると言うこともできます。戦争の時に作った急ごしらえのツバルの状態が「正しい」と短絡するのも問題と思います。
それより、この地域を歴史的に見ると、ヨーロッパ人が発見して以来、最初はスペイン人が住民を襲い、奴隷として連れて行きました。それからイギリスの植民地、アメリカ軍の進駐があり、さらには少し北のマーシャル群島で67回にのぼる原水爆実験が行われ、多くの被爆者を出しました。すべて先進国がやったことです。このことを考えるとツバルの問題を高校生などに教えるときには温暖化より、この数世紀にヨーロッパやアメリカが何をしたのかを伝える方が大切だと思います。
ツバルの自然が破壊されているのは、温暖化ではなく、直接的な先進国の「ちょっかい」なのです。

『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260111



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