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yymm77

日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

あとがき

あとがき

武田先生のお話は面白いを通り越してショックだった。これまで信じていたことが崩され、半信半疑だったことに答えがもらえる。こんな方が日本にいたのかと、快刀乱麻を断つお話を伺いながら私が思い出していたことを書いてみよう。
まず、武田先生は東大教養学部基礎科学科の出身である。日本で初めてこの学部が作られたとき、学生新聞の部員だった私は矢内原忠雄学部長に取材してこんな話を聞いた。
「旧制大学の欠点は専門分化のため偏った人間をつくったことである。日本がこの戦争に負けたのもそれが一因だった。それで私は新制東大では専門分化の前に一年半の教養学部をつくることを強く主張して、それが実現した」
新制大学に教養学部ができたのは、敗戦後間もなくの昭和二十四年である。入試は文科一類・ニ類と理科一類・ニ類の四種類しかなかった。専門分化は一年半の間充分教養を身につけてから行うとされた。それは分るが、分らないのは、文系だけは教養学部の中に四年間のコースをつくって学部の卒業生を出すという計画である。「後半の二年半は何を勉
強するのですか」、それから「教養を四年間も教えられる人がいるのですか」というのが私の質問である。
矢内原学部長は、「教養学部の後半コースには特別に優秀な学生だけを入れる。普通の人は、法学部・経済学部・文学部へ行きなさい」と言った。特別優秀者限定の受け入れは実行されたらしい。らしいと言うのは、私はそれを聞いて無駄な志願はしなかったからである。
続いて「一年半だけ教える学部では良い先生が確保できない。教授方はみっちり教えるのでないと本気になってくれない。従ってゆくゆくは大学院をつくるつもりだ」。つまり、本当の狙いは教授の確保で教養は学生各自が自分で身につけるだろうと期待していることが分った。「それができる学生を入れるため、また、将来の就職のためには高い評判をたてる必要がある。先輩もなく、世間の評価もないのだから」と情熱を込めて話された。
私は大いに感心したり、少しあきれたりしたのでその後、卒業生の方々の「教養」の深さと就職の状況については興味津々なのである。
武田先生はその教養学部の中でも一段と教養深いコースヘ進まれた。「基礎科学科」である。電気・化学・医学などであれば、どんな勉強をして、どんな職につかれるのか想像がつくが、「基礎科学」では専門の一っと言うよりは哲学か宗教に近くて私にはまった<想像が及ばない。
が、それはともかく武田先生は基礎科学という道を通って、科学の本質や科学者と呼ばれる人達の世界に通暁なさった。
その成果として先生は、ダイオキシンは毒ではないとか、地球温暖化の証拠としてマスコミが挙げるさまざまな現象はウソであるとかの主張を楽々と展開される。
マスコミの報道や解説は科学ニュースめかしているが、じつは業界のプロパまたはインチキ科学者の説の受け売りで、ホントの科学の含有率は極めて少ないと話される。
聴く方は、それではホントの科学者はなぜ黙っているのか、われわれに真実を話してくれる人はなぜ武田先生しかいないのか……と考えてしまうが、その答えは教養学部基礎科学コース卒業というご経歴にある、とひそかに考えたのである。
専門分化した学者は同じグループの学界に仁義がある。学問も仕事になり業界の利害がからむとなれば、波風が立つようなことは分っていても話さない。……とは、私の想像だが、武田先生はそういうことから離れて科学を研究する世界を楽しんでいられる。
私はホントの科学の世界はここにあったのかと嬉しくなった。矢内原忠雄先生が情熱を傾けた仕事の成果にようやく会えたのである。それは教養としての科学、自分用としての科学、真理としての科学で、それが人々の飢えを満たしたのである。日本人の皆さん、武田先生の本を読んで、安物科学からサヨナラしましょう。

平成二十一年五月吉日

日下公人

『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
R070124

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