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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

「リットン調査団」とは何者か 『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より

「リットン調査団」とは何者か

しかし、もともとコミンテルンは満洲でゴタゴタを起こすのが目的でしたし、当時の満洲はほとんど人も住んでいない荒野でしたから、支那の中央部、つまり「中原」の覇権を争っていた中華民国は満洲にあまり興味はなかったのですが、「抗日」ということで団結していたこともあって、日本が中国の地域の一部でも占領していることを材料として用いたのは当然のことでした。
中国は国際連盟に訴えて、満洲の調査を依頼し、日本もそれに応じました。この調査を担当したのが、「リットン調査団」ですが、あまり細かいことにとらわれずに大枠を理解したほうが良いと思います。
まず、リットン調査団のメンバーは次のような人たちでした。

〇 リットン伯爵ヴィクター・ブルワー=リットン(イギリス/枢密顧問官・元イギリス領インド帝国臨時総督・ベンガル総督)
〇 アンリ・クローデル陸軍中将(フランス/フランス植民地軍総監)
〇 ヴィアーノ伯爵ルイージ・アルドロバンディ・マレスコッティ(イタリア/外交官)
〇 ハインリッヒ・アルベルト・シュネー博士(ドイツ/国会議員・元ドイツ領東アフリカ総督)
〇 フランク・ロス・マッコイ(アメリカ/陸軍少将)

〈紛争当事国からのオブザーバー〉
〇 吉田伊三郎(日本/外交官)
〇 顧維鉤(こいきん:中華民国/外交官)

メンバーを見ても明らかですが、調査団を派遣した白人の国(イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、アメリカ)のうち、植民地をあまり持たなかったイタリアを除いて、インド総督、植民地軍総監などで、アメリカのマッコイ陸軍少将も植民地だったフィリピンなどの任務に就いていました。
つまり、日本と満洲国の関係では、植民地を直接、統治していた人たちが、満洲を植民地にしなかった日本を裁いたということになったのです。この点でも日本の歴史にはまったく逆のこと(調査団は正義の味方で、植民地にすることは悪いことと思っている)という前提で書かれています。





『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)

『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720251012
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