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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

◎ ちょっと本格的に 『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より

◎ ちょっと本格的に

人間は1年に約300キロの穀類を食べます。穀類とは小麦、お米、トウモロコシのようなもので、生きていくうえでどうしても必要なカロリーを供給します。
今、世界の穀類の生産量は1年で20低トンで、人口は65億人です。割り算をすると、一人あたり308キロになります。つまり世界の人口はどんどん増えていますが、それでも穀類の生産も増えているので、何とかなっているという状態です。
でも、奇妙なことがあります。今から50年前、世界の穀類を育てる田畑の面積は7億ヘクタールでした。その時に穀類生産は8億トン。もし8億トンのままでしたら、つまり世界の人口はどんどん増えていますが、それでも
穀類の生産も増えているので、何とかなっているという状態です。一人120キログラムとなり、多くの人が栄養失調になったり、餓死したりしたでしょう。
生産量が20億トンに増えたからよいのですが、田畑の面積は7億ヘクタールでほとんど変わっていないのです。それでは田畑の面積が変わらないのに、生産量だけが2倍以上になったのはどうしてでしょうか? それは石油をふんだんに使う農業になったからです。
ところで、もし原油が足りなくなったら食べ物はどうなるでしょうか?
世界の農業は、「値段の高い石油を使ってでも、食糧を生産する」か、「石油が使えなければ生産量を減らす」かの選択になります。田畑を増やすのはなかなかできません。
もう一つは、バイオエタノールの登場です。アメリカのトウモロコシ畑はその面積が3900万ヘクタールで日本全土(3700万ヘクタール)より少し大きいのですが、バイオエタノールヘの転換が行われるようになって2年も経たないのに、もう30%ぐらいが燃料用に転換しました。その結果、日本ではブタなどの飼料の値段が商騰しましたし、2008年の暮れにはアフリカ向けの食糧援助の一部が中断されたようです。
世界の穀類生産高と燃料の必要量とはほぼ同じなので、いったん「人間の食べる食糧を、自動車の燃料にしてよい」ということになると、食糧の獲得合戦はかなり厳しくなります。
今、世界の食糧は、まずお金持ちの先進国が取り、次にブタなどの家畜が取ります。なぜ家畜が取るかというと家畜の肉を買って食べるのはお金持ちだからです。ブタが食べた残りが貧乏な国の人に行くという悲しい状態なのです。
それでもまだ、食糧(トウモロコシ) が燃料(ガソリン)になっていないだけ助かっています。なぜなら、ブタは無制限には食べません。先進国の人が食べるブタしかいらないからです。
でも、自動車が食べるようになると制限がありませんから、食糧はまず先進国の人間、その次にブタと自動車が取り合い、それで無くなるでしょう。
すごい世界になったものです。

『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260101



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