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日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

第4章 日本は公害対策の最先進国 ◎環境問題も選択の問題

第4章 日本は公害対策の最先進国
◎環境問題も選択の問題

日下: 日本人は環境問題というと、地球温暖化とCo2と環境ホルモン。そして石油などの資源枯渇問題だと思っている。それは、役人にだまされているからですよ。役人は自分たちの責任逃れに話を大きくした(笑)。
役人には、「この町のこの公害はお前の責任だ」と言わなくていけない。役人の責任転嫁にだまされるのは、どちらかといえば、学歴の高い人たちですね。
私は、昭和三十五(一九六〇)年の池田首相の所得倍増計画(注11) の頃から、公害のことを言ってきた。そのために役所では、「公害屋」と言われていたんです。

武田: それはずいぶん早い時期からですね。

日下: テレビなどに呼ばれて話をさせられるようになったのは、昭和四十(一九六五)年くらいからかな。そんなときに、私は「これは選択の問題である。だから、得もあれば損もある。初期はそういう問題だ」と話してきた。しかし、それを言いかけると、いつもさえぎられたものです。
「大衆は完全な被害者で、悪役はどこかにいて、そいつをやっつけてくれ」という話が求められていた。「やっつける」ためには、大衆も立ち上がって「合成洗剤はやめて昔ながらの石鹸を使う」とか「工場誘致に税金を使う市役所には、明日から一銭も税金を払わないぞとかの決意が必要です」と話した。「その決意がないのだったら、何を言っても全部駄目なんだ」と。
そんなことを繰り返しているうちに、「テレビに出てくれ」と言われても、いやになって出なくなって、公害については、自分の本に書くだけにした。
大衆も行動しなければいけない。たとえば、「文部省はよくない」と言うのなら、「じゃぁ、息子を学校にやらなきゃいいじゃないか」と。
つまり、私の主張は、「選択の問題」ということ。そんなことを二十年も言い続けてきて、このごろ、やっと、「なるほど」と納得してくれる人も多くなってきました。
最近では、「ファンドを買えば儲かるという話は本当ですか」と聞いてくるから、「世の中には簡単に儲かる話はないんだ。「ファンドを買えば儲かりますよ」と言うセールスマンには、そんなに儲かるなら自分で買えばいいだろうと言って追っ払えばいい」と。
そんなことも、やっと、この数ヵ月、「ほんとうですね」なんて言うが、手遅れになってから目が覚めるとは気の毒です。
商売人は儲けたい。そこで公害などが起きてくる。当然、会社同士、あるいは住民と利害がぶつかる。しかし、そうしたことを技術者が解決していく。
政治は技術のあとを追いかけている。やっぱり技術者というのは偉いものです。ほんとうに世の中のお役に立つことをしている。技術進歩はありがたいことだ。その技術力において、日本が世界で一番か二番にすごいというのはありがたいことだと思う。
教育が、そういう技術者を育てたわけで、それを思えば「文部省が悪い」などとばかりは言えない(笑)。

武田: 社会が発達してきて、全体のレベルが上がってきて、社会の次をつくるという決定者というか、リーダーというか、そういう存在の必要性がだんだん必要なくなっていると思うんですね。
つまり、全体のレベルが上がって、一億二千万の人たちが知恵を出すとか、みんなが考えるとか、そういった方がはるかにすぐれた未来がつくれる状況になっている。それにもかかわらず、システムの方は、かえって一部の人が情報を隠して方針を決めるという方向に走っているように、私には見えるのですが。

(注11)所得倍増計画
一九六〇(昭和三十五)年に池田勇人内閣の下で、経済学者の下村治が立案し策定された長期経済計画。
この計画では翌一九六一(昭和三十六)年からの十年間に実質国民所得(国民総生産)を二十六兆円に倍増させることを目標に掲げた。その後日本経済は驚異的に成長、一九六〇年度から年間平均一一%の経済成長率を維持した。一九六五(昭和四十)年に景気が失速したが、赤字国債発行などで成長路線を維持して所得倍増計画は約七年後(一九六七年)に達成した。

『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
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