第13項 古紙のリサイクル ◎ そのわけ

常識とは正反対のチョイスですが、紙のリサイクルはすでに大規模な偽装が発覚したもので、事実はハッキリしています。
紙をリサイクルすると、石油を2倍使い、森林を破壊し、偽装した人を擁護することになりますから、良いことはないのです。
紙は樹木から作られます。樹木は太陽の光で光合成をして作られます。だから紙は太陽の光の利用です。
日本の樹木の利用率はわずか40%。この利用率は、今年、新しく伸びた量を基準にして、その4割しか使っていないのですから、森林を全く傷めずにまだ6割も使えるのです。
むしろ、残りの6割を使わないと、日本の森林は傷んでしまいます。
一方、紙をリサイクルするときには、トラックで運搬し、プラントでインクを取り、紙が弱っていたらプラスチックで補強しますから、石油の使い放題です。データによると、樹木から紙を作るときに使う石油の量に対して、リサイクルすると、回収の分を入れなくても2倍はかかるとされています。
つまり、紙をリサイクルするというのは、太陽エネルギーを使わず、自然を破壊しない範囲で持続的に利用せず、さらに石油を2倍使う方法ですから、太陽電池など再生可能エネルギーを大切にする人は決して紙をリサイクルしないでしょう。
反対に、再生可能な材料やエネルギーを大切にする人は、紙は使ったら捨てて自治体で燃やし、少しばかりかも知れませんが、熱や電気として利用することを支持するでしょう。
何しろ、現在の技術では、自然のエネルギーの利用という点では樹木から紙を作り、それを紙として利用した後、燃料にするのは最高に良い方法だからです。
そして、紙をリサイクルしたい人はなぜ「犯罪容認派」なのでしょうか?
それは2008年1月に大規模な紙のリサイクル偽装が発覚したのに、その後も、紙のリサイクルの運動が続いているのです。私は犯罪には荷担したくありません。特に紙のリサイクルの偽装は、多くの市民に「リサイクルするから古紙を出してくれ」といって分別してもらい、おまけに税金も払ってもらったのです。
そのあげく、100%リサイクル紙と言っていたものが実は50%しかリサイクル紙を使わず、2008年の年賀状は40%がリサイクル紙と書いてあったのに、ほとんどリサイクル紙を使っていなかったのです。
その理由は「新しい紙を作るより、リサイクル紙を作る方が石油も2倍かかり、お金もかかるから」というものでした。
いまさら‥‥‥と言いたくなります。子供でもわかる明らかな犯罪です。これまで何を言ってきたのでしょうか。「紙のリサイクルは石油を節約できる」、「自然を保護できる」と言って半ば強制的に国民にリサイクルを強いてきたのです。それがウソだったのです。
でも、なぜこのような犯罪が起こったのか、そしてこれまでのリサイクルの税金はいったいどうなったのか、紙のリサイクルを進めていた環境団体は知らなかったのかなど、普通なら調査が行われること、または紙のリサイクルを推進し、市民に呼びかけていた人たちが関心を持つことについて.、製紙会社も、お役所も、新聞も、そして環境団体も口を閉ざしてしまったのです。気の進まないままリサイクルをしていた人は犯罪を強要されていたことになります。
汚い!と私は叫びたくなります。
人間は間違いをしますが、間違ったら、「すみませんと言うこと」、「なぜ、間違ったのかの説明をすること」、「お金をもらっていたら返すこと」、そして「今後はどうするのか決めること」は最低必要です。
でも、すでに1年経ったのですが、全くその気配はありません。
「紙のリサイクルは環境に良い」、「この紙はリサイクル紙だ」「紙をリサイクルすると森林を守ることができる」と言って子供をだましてきました。これほど長い間、大人が子供にウソをつき、偽装をして知らない顔をしている人が、環境の保護などできるのでしょうか?
紙のリサイクルは全部、考え直し、出直すべきでしょう。こんな誠実さのない日本なら、環境だとかリサイクルと言っても無駄です。
『家庭で行う正しいエコ生活』武田邦彦 平成21(2009)年 講談社刊より 20260123
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