第3章 ウソだらけ! NHKの環境報道
◎二酸化炭素はいまの五倍くらいあったほうがいい
日下: 地球温暖化問題で、いま世界中で二酸化炭素(C02)を減らさないといけないという取り組みをしているわけですが、武田さんはその問題についても疑義を唱えている。
武田: 役に立たないことや原理原則に反することでも、事務系の人は社会の発展に繋がればよいとおっしゃるんですよ。
しかし、私は科学をやっていますから、一応、基本的には意味のあることをやりたいと思っているんですね。そういう点から言うと、C02というのは現在はあまりにも濃度が低くて、ほとんど生物が生きていくことができるギリギリのところまで下がって来ています。
どうしてかというと、生物とは、鶏肉だって私たちの身体だって植物だって全部C02でできている。それで大気中のC02で陸上の植物が、水中のC02で植物プランクトン、藻類(そうるい)が育ちますから、C02の量(濃度)で、食糧生産の上限が決まっているわけです。
そのC02がいますごく低いので、植物の生育が遅くなっています。
地球ができたとき以来、一番大きく変わってきているのはCo2の量です。最初の大気はC02だらけだった。それがまず、海洋ができて海に溶ける。つづいて、石灰石ができて珊瑚礁ができて、そして生物が使って、ここまでC02は下がって来た。生物が繁栄した六億年くらい前から見ても十五分の一くらいになっています。だからもう間もなく生物はC02不足で原料がなくなって絶滅することになります。
そんな時代ですから、人間に知性があり技術があれば、C02量を徐々に増やしていかなければいけない。しかも、他の生物はできない、人間だけしかCo2を増やすことができないんです。
CO2は基本的にわれわれに必要な原料で貴重なものです。問題なのは、そのC02が、どの程度の量になると、悪さをするかどうかということで議論をしなければいけない。
それは議論があるところですが、現在ごく普通に考えるとC02はもう少し多い方がいいんじゃないかと思います。少なくとも恐竜時代のレベルくらいはあった方がいい。すると、いまの五倍くらいの量ということになる。
そこらへんを目標にして、どのくらいのスパンでそういう状態を実現していくかと考えなければならない。たとえば二百年でC02をどのくらいまで増やすと決めると、百年<らいはやっていけるのですが、石油はなくなるし、石炭の消費量も減るので、CO2を増やす手段を失ってしまうことになるんですね。
こんなことを私が言うと、皆さん、Co2を減らさなければならないと思っているから、頭がひっくり返っちゃうわけです。
『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
R061215 P82