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yymm77

日本を潰そうとする強大な勢力に、対抗するために、、、、

◎ 経済から見る環境問題

◎ 経済から見る環境問題

日下: いま武田さんがおっしゃった同じことを、経済学の方から言いましょう。
実例で思い出しますと、環境問題については、一九六〇(昭和三十五)年代はじめの初期の頃は「これはけしからん、直せ」という指摘が直接の被害者の他に市民レベルなどから出てきた。
直接の被害者とは、汚染物質のたれ流しについては水俣病の患者、四日市ぜんそく、川崎病の患者、それからつづいては、イタイイタイ病の患者など。それから一般市民には騒音公害、日照権被害、スモッグや自動車の排気ガスによる大気汚染などがありました。
最初は個々別々の事件と思われて「足尾銅山事件の再来」かと言われましたが、原因はもっと大きなところにあると市民が気がついたので「公害」という名前がつきました。エア・ポリューションなどが、パブリック・ニューサンス(公害)になり、それが産業公害と都市公害に分れ、やがてふたたび統合されて、エンバイロンメント(環境)となりました。命名はとかくぼやけたものになっていくようです。
それに対して企業や通産省(当時)は、「対策は利益がないからできない」と言った。つまり、「それをやると赤字になっちゃう 」というわけで、「あなたたち、月給が貰えなくなるよ」と脅かしたわけですね。
しかし、それが時とともに解決してきたわけですが、それは、こんなふうな経過をたどった。
たとえば、タンカーが東京湾などに入ってきて、廃油やタンク洗浄の汚水を捨てていた。
自分のところのトイレとか食堂のゴミなどもみんな東京湾の中に捨てながら船が走る。
「これを規制しなければいけない」と思っても、タンカーも赤字すれすれで走っているということがあって、かわいそうで規制できないと言われた。それが、いまはできるようになったのはタンカーを大きなタンカーにしたから、量が拡大して黒字になって、「処理いだします」となった。黒字になると、社長命令が出るから技術者もやる。
その頃、「技術進歩の一番の原動力は何なのか」という研究会をしたことがあります。役人を呼んできたら、役人は「規制だ」とか「補助金交付だ」と言う。私たち民間側は「そんなことはない。『社長がやれ』というトップの命令か、またはマニアックな技術者、変人奇人がいて、命令はなくてもわが課の中だけで開発するという秘密主義だ」と。
この二つが一番大きな成功例で、「規制だ、補助金だと言っている役所などは何の役にも立たないどころか、むしろ邪魔ばかりしている」と喧嘩したことがあるんです。
もし規制や補助金が技術進歩を促進したとか、環境をよくしたといった幻想が、世の中 にはびこっているとしたら、それは役所の言い分ばかりを新聞がとりあげてきたからです。まあ、最近は、「クローズアップ現代」などといった番組で、「技術進歩の原動力は民間にあり」という話もだいぶ出てくるようになってきましたが。
なぜ社長が「やれ」と言うかといえば、高品質や高道徳をお客が買うからです。お客が買うのは、日本が金持ちになったということと、日本人は道徳的だからです。他に衛生に敏感だとか、健康に敏感だとかいうことで、これは一九七〇年以降 、世界を驚かしたことです。

『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
R061130 P24

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