三十九 会議の方法
中国では、昔から会議を開くのに、出席者の一人一人をよく説得して、会議を開けば同時に合意に達するような工作をしてから、会議を開くのが慣習であったと聞いている。このような政治的な知恵はそういう慣習を持たない日本人の中で、「葉隠」がつとに推奨しているところのものである。
「談合事などは、まづ一人と示し合ひ、その後聞くぺき人々を集め一決すぺし。さなければ、恨み出来るなり。又大事の相談は、関係なき人、世外の人などに、潜(ひそ)かに批判させたる がよし。贔屓(ひいき)なき故、よく理が見ゆるなり。(略)」(聞書第二 一七一頁)
『葉隠入門』三島由紀夫 (新潮文庫) 20240903 P76