四十七 意地
これは、そのまま読んでおもしろいものだ。
「或人云ふ、『意地は内にあると、外にあるとの二つなり。外にも内にもなきものは、益(やく)に立たず。たとへば刀の身の如く、切れ物を研ぎはしらかして鞘(さや)に納めて置き、自然には抜きて眉毛にかけ、拭ひて納むるがよし。外にばかりありて、白刃を常に振廻す者には人が寄りつかず、一味の者無きものなり。内にばかり納め置き候へば、錆もつき刃も鈍り、人が思ひこなすものなり。』と。」(聞書第二 一八一頁)
『葉隠入門』三島由紀夫 (新潮文庫) 20240911 P82